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社名の由来



株式会社ラプラス・システム
堀井 雅行

18-19世紀、フランスの数学者ラプラス(Pierre Simon de Laplace 1749〜1827)は、時の皇帝ナポレオンに著書を献呈し、「なぜあなたの書物には、神という言葉がでてこないのか?」と問われた際に、「私の書物には、そのような仮定は必要ないのです。」と答えたそうです。
彼は、科学法則だけで自然現象は説明できるという固い信念を持っていました。
また彼はニュートンが確立した運動方程式により、全ての物理現象は計算可能であり、仮に全宇宙の全ての素粒子の運動を計算出来たとしたら、未来について正確に予測出来ると考えました。
この様な決定論的世界観、及びその様な計算の出来る存在を「ラプラスの悪魔」と呼びます。

野球のボールがバットで打たれた瞬間に、その時の初速度、角度、回転、空気の流れなどによって、ボールが落ちる位置は正確に決まっているはずです。
全ての物質も素粒子の集まりであり、それぞれが運動方程式に従っているとしたら、当然今の状態から次の状態は必然的に決まっていることになります。
人間の意志にしても所詮は脳内の物理現象であり、物理法則に従っている事にかわりはありません。
そう考えると、この世界、宇宙はビッグバンが起こった瞬間に、未来永劫既に決まっている事になり、私達人間はそれを予測出来ないだけであり、「ラプラスの悪魔」には全てがお見通しという事になります。

現在科学では「ラプラスの悪魔」の存在は量子力学の登場により否定されています。
ハイゼンベルクの不確定性原理によると、素粒子の正確な位置と速度を同時に決定する事は不可能で、確率的な挙動をするため、「ラプラスの悪魔」もこれを正確に予測する事は出来ないとされています。(但し、アインシュタインを始め現在でも量子力学が示す世界観に異を唱え、決定論的世界観を支持する学者も居ます。)

もちろん真実がどうであるかは私達には分かりません。
全ての事象が確率でしか言えないとする量子力学の描く世界は到底理解出来ませんが、かといってラプラスの悪魔が居るとして、全てが決定していると言われれば、そんなことは無い自分の未来は自分で切り開くと言いたくもなります。

但し、ミクロの世界に「ラプラスの悪魔」が存在しなくても、マクロの世界には存在するはずだと私達は信じています。
全宇宙を予測出来なくても、特定のシステムの挙動は予測出来るはずだと信じています。
太陽光発電システムにおいて、日射を始めとした条件が確定している場合に、その発電電力は決まっているはずです。
もちろん現代社会の様々なシステムは益々複雑化し、多くの要因が絡み合い、その解析は決して容易ではありませんが、私達は可能な限り「ラプラスの悪魔」に近づきたいと願っています。
そのための私達の武器は、ソフトウェアです。
特に、計測技術と、シミュレーション技術、ビジュアル化技術です。

その様な想いから創業し、社名を定めました。
余りにも尊大な目標ですが、これからも社名に負けない様、初志を忘れない様、社員一同、努力して行きたいと思います。